基地にて:2011年12月
なんとか一年、毎月十首、続きました。
ここの短歌のこと、
直接会ったときだったり、手紙だったり、メールだったり、で
思ったこと伝えてくださった皆さん、
本当にうれしかったです。
この場を借りてお礼申し上げます。
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付箋で手紙交換をする大人たちを横たえてなだめるような冬
真夜中にひとりでいるものをすべて包む種類の音があります
なにも持たずに出かけられる場所があるひとつだけ星のみえる路地から
世の中の渡せなかったお土産たちをタイムカプセルに眠らせ
銀杏が黄色かったこと思い出す昼の光のいつもの駅舎
両手に抱えこめる大きさの木型によかったねと声かける地下室
嫌いな街を数えようとして減ってゆくファスト・フードの灯りをたどり
誰にも何も知らせずに乗る鉄道ですこし遠い春の話をする
ビニールに詰めた靴下お巡りさんの半歩後ろをあるく年の瀬
ほうじ茶ラテを飲み干した地下道に流れるエンドロールを追って