海の日ライブのこと(2)

東直子(ひがしなおこ)さん。
歌人であり、小説家でもあるかたです。

http://www.ne.jp/asahi/tanka/naoq/


ホームページで作品を読むことができますが
ここにも少し 引用させてください。


海の椅子 


東直子

                                                                                                                                                              • -

椅子の背のもように風がしみてゆく海をうつせばつめたきまぶた


こすれあうものみな白し谷の抱く海にしずかに足さしいれる


あなうらに海の内臓たしかめる意志あるごとき月にてらされ


もういくの、もういくのってきいている縮んだ海に椅子をうかべて


波音がわたしの口にあふれ出す鳥が切り裂く空に会いたい


ママンあれはぼくの鳥だねママンママンぼくの落とした砂じゃないよね


洋梨にナイフを刺せば抱擁の名残りのように芯あたたかし


煙立つ終点の駅我がドアを砂にまみれしゆびで開きぬ 


(歌集『青卵』より)


穂村さんとの共著を読んだのがきっかけで彼女の文章や短歌を知って
(大学の図書館で借りた「回転ドアは、順番に」という本が大好きでした。次見つけたら買おうと思う。)
今回、自分の出演が決まったタイミングで共演できることを知って、とっても嬉しかった。


文章の感じから、しずかなやわらかい、女性的な方を想像していたのですが
なんというかある意味、あの日の会場で一番力強く、ロックだったと云いますか・・・
トライアングルや鉄琴を手に、短歌の暗誦、小説の朗読、そしてお客さんにお題(「まつげ」)をもらっての即興物語。
かっこいい!!
と思ってしまいました。


なんて失礼かもしれませんが、本当に、言葉をあやつる凛とした立ち姿に目を奪われました。
リハで聞いた「だるま」のお語も頭にひっついて離れません。
小説も読んでみたいな。またどこかでお会いできる日を楽しみにしています。


東さんの日記はこちら。


============================


3番目は戸井安代さん、原川奈緒さんによる
影絵+音楽ユニットの「畔」(あぜ)。


サンプル映像観てください
めっちゃかわいい!!



七針がミニシアターのような癒しの空間になっていました。
そして絶妙なタイミングでお二人の生演奏と効果音が。
あれですね、あれは影絵じゃないけど「トムとジェリー」を思い出す(あんなにドタバタはしていない)。


うしろにいたので気付かなかったのですが、途中でお客さんにも楽器を手渡していた模様。
わたしは戸井さんの「ひゅーん」って鳴る笛(?)に興味深々でした。


影絵の映像の人形の動き方とかもいちいちツボで。。。
あれを作るのは相当大変なんじゃないかと察しますが、また新作も観てみたいです。
すてきな映像と音楽をありがとうございました。


ontonsonでDVDが買えるみたい。