電波塔:2011年1月


ことし始めた新しいことがこれです。日記のような短歌。
下手な鉄砲、、、という話もありますが、
とりあえず古い順にいくつか。

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日の当たらない部屋に住む花もまだ枯れないうちに遊びにおいで


猫を飼うゆめを叶えてしまうときぼくら少しだけ他人になるの


眠る間にまぶたは薄く染められて今だけが正しい色をしている


門松をはこぶ仕事を投げ出して残ったイルミネーションに触れ


夕方の地下鉄は人が少ないと五角形の空ひきとめながら


だいだいの灯りを揺れる眼に映し朝とおもえば夜中の二時で


きみをこころのささえにして生きてるともしかしたらもう言ってしまった


まだ寂しくならない夕方の端っこぬりかべみたいな雲を見ている


右手の爪が左手よりすこし長い大丈夫、風邪はうつらないから


電波塔にひびくかすかな伝言は白いさそりが浮いていたんだ