懲りずに続けています。
暖かかったり寒かったり、しましたね。日付順。
届かないだれかに向かう祈りなら擦りきれるまで見守るつもり
十四階から十階へ移り住み梯子をのぼる人を待つ春
さっきまでわたしの一部だったこと忘れたように積もる細胞 *1
伊予柑のお酒を買って工事現場にて手を振るひとにほほえむ
雪を振り払いながら押す三角ボタンでチョコレート・ソングは流れ *2
睡眠の足りないひかり太腿が今にも眠りそうでわかるの
お土産と持たされたコーンスープを片手に月が黄色くない日
なぜ知っているかと問へば歌と云ふ夜中の部屋に招いた鳥よ
この道は今日の私が歩く速さを知っているここは東京だ
母になったあなたと桜の写真を赤い電車にもたれかぞえる *3