星のうた:2011年5月
真夜中のような午後七時の街灯纏うおばあさんになりたい
指が赤く染まる理由を考えていたら迷子になった夕方
雨が止むのを待ってるつもりだったドルチェ・ヴィータの小瓶をしまう
シャンプー台でする考え事が好き逆回転の夢をみている
平日の昼間の街はわたしに背を向け干し網には魚たち *1
旧姓でよばれる母を胸にとめ夕闇にシロツメクサを摘む
地面すれすれの靴紐むすんでチャーリー・ブラウンの恋人になる *2
夜の湿気をはんぶんだけ吸った熊かかえ何度でもお帰りなさい
二万年後の約束に高熱の出たひとたちを布団にくるむ
生まれ変わってもこの街へ住みにくる惣菜を棚にもどす日曜