酸化した椿油の匂いラフォーレハラジュク・マツヤマと唱える *1
照準を定めてどこかのスイッチを切るそんなふうにして生きている
明日のサラダを冷蔵庫に入れ眠るすこしずつひえてゆく世界よ
通勤路で釣りしてるひとの数かぞえとどまる元・少年少女たち *2
まるで歌うみたいに左側のドアが開き続ける朝のビニール傘
煙突のけむりと雲の区別がつくようになってしまって泣いた
地面にいちばん近い靴を選びどこまで行きたいのかと尋ねる
日本橋(おおさか)に降り立つとき帰りたい場所はどこかへ
袖口の灰の毛糸を引き出して放ればシュガーコーンの渦巻き
すこしだけ拗ねた子供用のギター弾き子供の顔をして横になる