はるとしゅら

お願いだ
このままじゃ、君と僕
春と修羅しゅしゅしゅ


ハルトシュラ/佐々木匡士


GeGeGeGeQuartet&徳久ウィリアムさんとの共演映像。
かなりはじけてる!


もうちょっとゆったりした、弾き語り多重録音バージョンもすごく良いです。
自主制作CD-R「ことのない」と、「BEST 02-04」*1に入ってます。
私はBESTのほうしか持ってませんが、曲目を見る限り「ことのない」もお勧め。どちらも1000円。BESTはなんと16曲入りです!


と、いつものように宣伝。5/24、江古田Flying Teapotでのとうめいロボ(ここで聴ける「ポケット」って曲が凄い!)とのツーマンは行くしかないと思ってます。


で・・・、実は私、この詩を知らなかったんですが、
さっきあおぞら文庫で見つけて読んでみたら素晴らしかったので貼ります。


宮沢賢治詩集「春と修羅」より。

  春と修羅
    (mental sketch modified)


心象のはひいろはがねから
あけびのつるはくもにからまり
のばらのやぶや腐植の湿地
いちめんのいちめんの諂曲(てんごく)模様
(正午の管楽(くわんがく)よりもしげく
 琥珀のかけらがそそぐとき)
いかりのにがさまた青さ
四月の気層のひかりの底を
唾(つばき)し はぎしりゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
(風景はなみだにゆすれ)
砕ける雲の眼路(めぢ)をかぎり
 れいろうの天の海には
  聖玻璃(せいはり)の風が行き交ひ
   ZYPRESSEN 春のいちれつ
    くろぐろと光素(エーテル)を吸ひ
     その暗い脚並からは
      天山の雪の稜さへひかるのに
      (かげろふの波と白い偏光)
      まことのことばはうしなはれ
     雲はちぎれてそらをとぶ
    ああかがやきの四月の底を
   はぎしり燃えてゆききする
  おれはひとりの修羅なのだ
  (玉髄の雲がながれて
   どこで啼くその春の鳥)
  日輪青くかげろへば
    修羅は樹林に交響し
     陥りくらむ天の椀から
      黒い木の群落が延び
       その枝はかなしくしげり
      すべて二重の風景を
     喪神の森の梢から
    ひらめいてとびたつからす
    (気層いよいよすみわたり
     ひのきもしんと天に立つころ)
草地の黄金をすぎてくるもの
ことなくひとのかたちのもの
けらをまとひおれを見るその農夫
ほんたうにおれが見えるのか
まばゆい気圏の海のそこに
(かなしみは青々ふかく)
ZYPRESSEN しづかにゆすれ
鳥はまた青ぞらを截る
(まことのことばはここになく
 修羅のなみだはつちにふる)

あたらしくそらに息つけば
ほの白く肺はちぢまり
(このからだそらのみぢんにちらばれ)
いてふのこずゑまたひかり
ZYPRESSEN*2 いよいよ黒く
雲の火ばなは降りそそぐ

                  《一九二二、四、八》

 

いいなあ。
詩集買おうかなあ。

*1:CD-Rはライブ会場か、円盤(高円寺)、アルケミー・ミュージック・ストア(西心斎橋)、DISK BOX(山口)で買えるはず。

*2:サイプレッセン、糸杉、ですね。