机に耳あてて工場の音がするあとすこし目を閉じていていい
玉ねぎがスライムに見えたのはそういえば初めてでした 秋の日 *1
誰の声をきいてあなたは満面の笑みで小雨の橋を渡れり *2
足あとが1、2、3の文字に見え曲がりきれないトラックを待つ
このなかに行き過ぎて戻った人はどれくらい 真夜中はまだ遠い
すこしだけ後悔するために買うものはあたたかい甘いコーヒー
スピード緩めずに向かってくる車 歌になった交差点、ここです
柿を頬張りながら柿の皮をむく速さを競うつもりはなくて
花にじょうろで水をやるネクタイ締めてこんな日を快晴と呼ぶ *3
終着地点と降ろされれば信じるしかない人たちにさよなら